本当は今日荷物を運ぼうと思ってたら、レンタカー借りれず。そうか、土曜日だ。ということで週明けに変更。
ぼちぼち作業したり、撮りたまっている「龍馬伝」を見てみたり。まだ、武市半平太が投獄されるところで、3ヶ月遅れ(笑)。面白い、というか、とても悲しいシーンが連続でした。面白いですね。
さて、長尾真「情報を読む力、学問する心」を読みました。現在、国会図書館館長で、元京大総長。自然言語処理や機械翻訳など情報工学の超大御所の先生です。その長尾先生の自伝、といえる本です。幼少期から、学生時代、そして研究者としての40年間について、研究内容はもちろん、研究に対する考え方などが述べられています。
学生時代に計算機(コンピュータ)と出会い、画像認識、自然言語処理、機械翻訳、電子図書館と、いろんな研究プロジェクトを進めていかれます。なぜ、そのテーマに興味を持ったのか、どうやって取り組もうとしたか、といったところは、研究者としてのあり方の大きな参考になります。また、私の指導教官である美濃先生、博士進学の際に受け入れてくださった故・中村順一先生を始めとして、知っている先生も多数名前が出てきます。そんな先生にも院生や助手の時代があったんやなぁ、と思ってしまいますね(笑)。、私も末端で関わらせていただき、研究対象とした京大とUCLAとの遠隔講義(TIDE Project)についても触れられており、ちょっと嬉しく思いました。
私は長尾先生とは学会の基調講演後に一言ごあいさつしたことがあるだけなのですが、TIDE Projectの評価研究をさせていただいています、と言ったところ、「大事なことだから、しっかりやってください」と言っていただき、とても感動したことを思い出しました。
後半の、センター長や研究科長、総長としての勤務については、大学教育を研究する視点から、どういう意識や考えで研究者が大学運営に関わるようになり、運営していくのか、ということを知る上で参考になりました。やはり最初は乗り気じゃなかったみたい(笑)ですが、責任意識が強く、受けたら切り替えて真摯に取り組む、という心がけはよくわかりました。
さて、2ヶ月前の超交流会で、ビブリオバトルを観戦しました。その時に岡本真さんが長尾先生の「電子図書館」を紹介されたのですが、この時に「私はとても悔しい。長尾先生がこの時(1994年)にこんなことを思いついて本にしているなんて」というようなこと(表現はぜんぜん違うかもしれませんが(苦笑))をおっしゃっておられて、とても印象的だったのです。この2冊を読んで、長尾先生の偉大さを目のあたりにするわけですが、だからといって負けてばかりいるわけにもいきません。研究者として生きていく上で参考にしつつ、1つの目標にしないといけないな、と思います。いやー、大それたこと、書いちゃったけど(汗)。
なにはともあれ、「研究者人生とは何か?」を考える上でも、とても興味深い本でした。