「高等教育・FDにおける教育工学の役割」

日本教育工学会全国大会3日目。

午前は一般発表。基本的には高等教育のセッションに。大山さん@京大の発表。「アクティブラーニング形態の授業における授業外グループ学習のプロセス分析」で前半はかなりよくなっていたが、後半の考察のところで自信がない、というか十分に練り込めてないのが露呈する。自分なりに消化しておくことが重要だということがよく分かった。データとしてはしっかりとれているので、今後深めていくことが大事になる。続いて、山本君@関西大。「大学による国際教育協力プロジェクトにおけるICTツール活用の可能性」という題目で、大山さんとかなり近い手法。こちらも同じ課題があったと思う。ちゃんとやっているのだから、よく考えて自信をもって発表できるようにしてほしいな、と思う。

午後は課題研究。「高等教育・FDにおける教育工学の役割」というテーマ。私が提案したのが通ったそうで、趣旨説明をすることに。どきどき。「高等教育やFDに関する研究は重要性が高まっているものの、教育工学的な観点からの研究はまだまだ蓄積が少ないのが現状である。そこで、まず高等教育やFDに関わっている教育工学研究者が、教育工学の立場から自身の取り組みなどについて研究発表を行い、幅広く情報を共有する。そして、今後、教育工学研究者として高等教育やFDにどのようにかかわっていくべきか、どのようにFDに関する研究を行っていくべきか、について議論することを目的とする。」といったことを説明。

6件の発表だったが、なんと15件も申し込みがあったらしい。

中山先生@東工大は組織的な評価に関する発表をされ、その後、美馬先生@はこだて未来大、岩崎さん@京都外大、松本さん@青山学院大、が各大学の事例について発表される。美馬先生の発表は、やはり新しい大学でポリシーをもって設立されており、うらやましくもあり、参考にしたい部分も多いけれど、どうやればいいものかなぁ、と悩まされるところである。

その後、田口さんが関西FD、私が若手FD研究者ネットワークについてそれぞれ発表。アイデンティティやポストの問題についても提示する。

休憩の後、全体ディスカッション。久保田先生@関西大からありがたい質問や提案をいただいた。「教育学に関わる研究者であればFD大学教育に関する研究をするのは当然ではないか?他分野の人については考えないといけないと思う」「こういった(アイデンティティやポストの)問題などに対して、学会として取り組んでいくべき」といったことを言っていただき、大変勇気づけられた(この発言内容については、私の解釈が少し入っているので、意図は少し違うかもしれないことはご了承ください)。

もうちょっと問いを具体化しておけばよかったな、という反省はあるが、今後学会の中でもいろいろ議論できる素地はできたのではないかな、と思う。日本教育工学会が大学教育やFDに関する研究を発表する場の1つになってくれればいいと思うし、そうなるようにいい形で関わっていきたいな、と思う。

とにかく濃い3日間となった。今回の学会で得られたものをこれからの研究に生かしていかないとな、と思う。

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このページは、村上正行が2009年9月21日 23:55に書いたブログ記事です。

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