日本教育工学会第25回全国大会2日目。午前中は前半「高等教育」のセッションに。遠海さん@関大の発表。大学院GPの話で、育成された能力と学習場面との関係を明らかにすることを目指した研究。前半の目的や方法の部分は自分なりに消化できたようでスムーズにしゃべっていたが、後半考察のところは自信がないのか、しゃべりも不安定。その点をしっかりと頑張る必要がある。やったことを分かりやすく伝える技術は必要だな、と思う。やったのに言ってないところも多かったので。
ポスターへ。尾澤君@大分大の仕事量には驚かされる。。。すごい。もっと評価されるべきだよね、特に大学内で。東大院生組の大城さん、岡本さんの発表も興味深かった。時間がなくなって、望月君@専修大の発表を聞きに戻る。「複数の文章の比較統合を通した批判的読解を支援する学習環境の開発とその評価」。こちらもさすが。複数文章を比較することそのもので批判的な読解を支援できるかな、という点はあった(解こうとしている問題そのものが難しい)ので、またその点については今後の話を聞いてみたい。
昼食は、藤木先生、寺嶋君ら長崎大組と。私は長崎大の院生らと、寺嶋君はうちのゼミ生らとそれぞれお話。どんなことを言い合ったものか(笑)。
安田講堂へ。すごいなぁ。中もすごい。全体会。永野会長のご挨拶などを経て、表彰式。研究奨励賞をいただくことになった。大変名誉なことであり、東大安田講堂でいただけるというのもありがたいことである。なにより一番うれしかったのは、いろんな方に祝福の言葉をかけていただいたり、「自分のことのようにうれしい」と言っていただいたことだ。あと、なんといっても寺嶋君と同時に受賞できたことも驚き。研究奨励賞の名に恥じないように、これから研究がんばっていかないと、と身が引き締まる思いである。
シンポジウム。「変革をささえる教育工学:サスティナビリティとスケーラビリティ」という題目で、初等教育の木原先生@大阪市大、堀田先生@玉川大、高等教育の松下先生@京大、佐藤先生@愛媛大、が20分ずつ報告し、途中で松尾先生@神戸大、長岡先生@産能大が経営学的な視点からコメントを入れるというもの。前日に3時間も打ち合わせをしたということ、共通の問いが提示されていたこと、話者がしっかりと時間を守っていたこと、で非常にスムーズだった。後半2名の話は個人的にはよく知っているが、これらの大学教育、FDの話が教育工学研究者にどう受け止められたのかが一番興味があるところ。
その後、ペアワークをして、ディスカッション。メールベースで質問を集め、司会の中原君@東大がまとめて話者に投げるという運営で、もうさすがとしか言いようがない。初等教育、高等教育という差異、教育と経営学、組織心理学との差異を組み込んで、多層的になっていた。参加者が多様であることを考えると、とっかかりがたくさんあるし、大きい視野でも考えられるというところでとても面白い内容だった、と思う。個人的にはスケーラビリティについては、しっかりデザインしておけばそれなりに満たされるはずで、あとは組織内の人が自分たちの文脈を踏まえてリデザインできるような能力を身につけることが重要だと思う。これが難しいわけだが、、、。サステナビリティの方が大変だ。デザインしきれない、いやデザインはできるが、現実的に実行そのものが難しい場合が多い)ところをどう乗り越えていくか、ということを考えないといけない。大学教育にはいろんな泥臭い要因があるので、考えてみたいと思うが、そんな中で経営学的な視点は1つのヒントを与えてくれるな、と思った。
懇親会の後、ワカモノタチの大宴会。ラーニングスタジオで140名ほど集まっての大イベント。今年はただ飲み会をするだけではなく、ワークショップを取り入れたおもしろい企画。ビタハピ(ビタミンハッピ)というハッピを着て、ディスカッション。いろんなグルーピングができ、グループになるまでにも会話が必要、スムーズにグループができるという代物で、グッドデザイン賞も受賞されている、とのこと。
「えりが同じ色のひとー」「左袖が同じ色のひとー」「背中合わせで全く同じ運命のひとー」など、司会者の掛け声で「こっち青だよー」「どこにいるんやー」「私の背中、なにいろー?」みたいな感じで、みんなどたばたして動き回る。私は幹事ということもあって、最初だけだったが、みんな楽しげに話していて、院生や学部生は思い切っていろんな方とお話しできたのではないだろうかと思う。
苅宿先生@青山学院大とはじめてお話させていただく。ビタハピは青学の新入生オリエンテーションなど、子どもから大人まで様々なワークショップでつかわれているそう。うちでもなんか企画してみるかなぁ。
幹事長の渡辺君はじめ、幹事の皆様、本当にお疲れ様でした。
その後、渡辺君@東工大、山田君@金沢大、御園君@東大、大山さん@京大と飲み。