京大へ。大雨だ。。。
大学生研究フォーラム2009に参加。昨年度から電通育英会と京大高等教育センターとの共催で行われている研究会である。まずは溝上さんの趣旨説明。大学生・大学教育における研究・調査と実践とをつなぐ問題や見方を明らかにして継承していくことが目的であり、そのために包括的な調査・分析によって大学生の実態を把握しながら、研究会においてさまざまな側面から大学教育を考えていく、といったことをお話しされた。特に少し分野の違う先生方の講演を取り入れていること、実践の報告などを聞いて聞き手側が自分の文脈・状況に応じて解釈していくことが重要であること、を説明されたのだが、とても共感できるものであった。
こういった研究会、講演会では聞き手側がいかに自分なりに捉えられるかが大事である。にも関わらず、すぐに使える答えを求めがちである。この辺はFDに関する講演や研究会などを行うといつも感じることであり、何度も伝えないといけないと思うし、伝える側もかなり意識しておかないといけないな、と最近特に肝に銘じている。
まずはパネルディスカッション。「学生の何が育ていて、何が育っていないのか?」というテーマで、3大学の実践報告。各大学とも教員1名+学生1名、というスタイルで行われた。加藤先生@立命館はコーオプ教育の実践について。「二人称的思考」がキーワード。院生、学部生によるグループで企業との連携を行うのだが、非常に高度な内容の実践であり、院生としても非常に学ぶところが多かったようだ。ただ、院生自身は学んでいるというよりは、やれなかった点が心に残るようだ。
岩井先生@早稲田大学は平山郁夫記念ボランティアセンター(WAVOC)における国際ボランティア活動について。ボルネオプロジェクトについての報告、「振り返り」の重要性がキーワード。学生さんはさすが早稲田、という感じ。
土持ゲーリー先生@弘前大は読書への巻き込みを含めたラーニングポートフォリオを用いた実践について。当然キーワードは「ポートフォリオ」。非常に精緻にポートフォリオを利用され、評価視点も明確。
ディスカッション自体は時間はなかったが、マトリクスなども用いていろいろ工夫が見られた。
講演。2つとも興味深そうだったが、最近の興味から、谷内先生@文京学院大学の講演を聞くことに。「プロフェッショナル志向を認め始めた日本企業の雇用システム -大学はこれにどう関わるか-」というタイトル。面白かった。ここ数年、自分が読んできたマネジメントや経営の本の内容がコンパクトにまとめられていて、かつ、知らない知識も多くあった。プロフェッショナルとは何か?プロフェッショナル志向が高まる中、大学教育はどうあるべきか?自分なりにも考える契機となった。大学が外部有効性を意識しないといけない、という点は非常に納得であり、教養教育と専門教育の融合化についても同感である。インターンシップの難しさはなかなか解決が難しいが、キャリア教育といった言葉にあまりふりまわされず、自信をもって大学教育を行っていくことが大事だろう、と思う。
後で谷内先生と直接お話できた。とても柔らかな感じで、私のような者の話も真摯に聞いて頂き、大変ありがたかった。著書を読んだことがないので、これから読んでみたいと思う。
情報交換会。いろんな方とお話。企業の方も多く参加されているなぁ、という印象。最後の方では院生にバトルトーク?してしまってから、大塚先生とお話。いろいろ参考になる。