大阪でいろいろ作業。この年になっても、いや、なったからか、なかなか決断できないこともある。
大阪に帰ると、ついつい紀伊国屋に寄って、大量に本を買ってしまう。12冊。重い。。。年度末で研究費もないのに、つい論理的思考とかプレゼンとかの本にも目が行ってしまう。来年度の「言語と平和」、どうしようか。まあ、その中には阪神の本も2冊あるのだけど(笑)。
雨だし、まあ、今日はいいか、ということで、大学には行かずに、家にいる。ちょっと休んで、卒論CDとか種々の連絡でメール書きとか、いろいろ作業はこなす。メリハリつけなきゃ、と思うんだけどね、、、。
溝上さん@京大のをようやく読了する。以前に献本していただいていたのに、なかなか読めず、読み始めてからは少しずつ読んでいった。
2部構成で、第Ⅰ部では自己形成論の基本的感覚を得る部分を発達的に概観し、第Ⅱ部は青年期の自己形成論として展開する、ということになっている。溝上さん自身の研究としては第Ⅱ部がメインだが、第Ⅰ部も溝上さん独自の観点でまとめられており、さすがの内容である。
実際のところ、私にはちょっと難しい内容(特に第Ⅱ部)ではあったが、第Ⅰ部の内容は(多分だけど)だいたい理解できたし、「ポジショニング」と「同一化」のことは少しは理解できるようになったのではないかな、と思う。
個人的に一番興味深かったのは第3章の”他者へのポジショニング”で、”ポジショニング”というのは「あるポジションを取ろうとする行為である」と定義される(p53)そうだが、他者との関係性によって自分の立ち位置を明らかにすると同時に、他者のポジショニングも明らかにしている、というのは確かに、と思った。また、3節で「「他者を通して自己になる」ときのもっとも基本的な自己形成、meとしての自己を把握するプロセス」をまとめていて、自己像ってなんだ、ということが理解できたと思う。
以前に読んだ「現代大学生論」(私の昔の感想はこちら)のように、そうそう理解できる内容ではないので、また時間をおいて読んでみたいと思う。
実は、私などが実際に一番興味深かったのは、巻末の「自己論へのスタディガイド」である。自己論を学ぶための、ということになっているが、研究者としての営みがつまびらかに書かれている。とても面白いし、共感する部分も多いし、参考にもなる。「激しく文章にする」という説明が溝上さんらしいと思った(笑)。このガイドが、自己論研究者の「自己」の一例を示しているのかな、と素人なりに思ってみたりする。