大学コンソーシアム京都が主催する第14回FDフォーラムに参加。
今回のテーマは「学生が身につけるべき力とは何か -個性ある学士課程教育の創造-」。学士課程教育、学士力という最近話題のキーワードをどう捉えていくか、という問題でもある。
今日はシンポジウム。
山形大学の結城学長は、山形大学の取り組み、教養教育に関するお話をされた。”教えたい科目”ではなく”学ぶべき科目”を提供すべき、ということを述べられていたが、私としては”学びたい科目”ではないのだな、なるほど、と思ったが、そうなると”教えたい科目”と”学ぶべき科目”との間にある違いをうまく決めていかないといけないだろうな、という感想を持った。
金沢工業大学の石川学長も、これまでの金沢工業大学の取り組みについてのお話。多様な初年次教育、学生のポートフォリオなど、さすがと思わせる内容であった。その中でも特に、”人間力”というポリシーを金沢工大なりに具体的に定義して、実践に結び付けているところは素晴らしいと思った。うちの大学も、”人間力”ということばを使っているものの、ほとんどアピールされることもなく、あまりに具体的すぎる実践に落とし込まれているので、なんかよくわからない。この辺を学長自身で学内外にアピールできるということは素晴らしいことだと思う。気になったのは、”基礎教育”と”教養教育”の違いをどう考えているか、というところ。まあ、工大なので、その辺はちょっと違うのかもしれない。
田中先生@京大高等教育は、木野先生に「忌憚ない意見を」と促されたからか(笑)、いつものように、思った通りに発言されていた。個人主義化する学生、能動的学習主体としての学生、こういった状況から、教育・学習共同体の再評価、そして教授学習過程とFDの一体化、と流れていくことになる。
そして、いつも述べられていることであるが、「大学によって文脈、背景が違うのだから、自分たちなりにやらないといけない」、そして「ゼロから始めるのではない」ということ、だからこそ、学士課程教育もFDもそれぞれ最適解を探していかないといけない、ということを何回も指摘されていた。
私なんかは田中先生と10年ほどお世話になっていることもあり、知らない間に田中イズムが身についてしまっている(苦笑)。ただ、こういった場に参加する方々の内、情報収集が主な目的である人も多く、そういった人たちは聞いた話をそのまま実行しようとすることもある。バランスを考慮しつつ、自分の大学の文脈に取り込んでいくことが大事なはずなのだが、、、これを伝えるのがものすごく難しい。
その後、質問票をもとに質疑応答。木野先生@立命館の司会はさすが。偏ることもなく、面白く聞かせていただいた。なかなか満足のいくシンポジウムであった。希望としては、ここに参加している1100名が自分の大学で行動を起こしてくれることであり、そうすればきっと大学も変わるのでは、と思う。
情報交換会に参加して、2次会。
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