「消える大学 残る大学」。残るためには?

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出張続きの中休み。午前中、事務作業をして、午後から京大へ。修論関係のミーティング。どんどん進めていくことが重要。

あいまに歯医者。親知らずに大きな虫歯が出来てしまい、たまに痛むので、ようやく行ったのだけど、これまでほったらかしにしてきたつけがでて、かなり治療しないといけない。今回はがんばって通い続けよう。

京大に戻っていろいろ作業。「言語と平和Ⅱ」関係の仕事が後回しになっていて進んでない。。。いかん。

さて、最近大学関係の書籍がたくさん出ている。

諸星裕氏の 「消える大学 残る大学 全入時代の生き残り戦略」。朝の「とくダネ」にも出ている桜美林大学の先生で、アメリカでPh.Dをとり、アメリカの大学で働いていたこともあり、その影響が随所に見える。きっと日本の大学のあり方は奇異に映ったんでしょうね。

私にはおおむね「その通り」と思える内容が多かった。大学のミッションとカリキュラムの関係性、初年次教育(論理的な文章作成)、職員のプロフェッショナル化などの重要性を指摘している。しかしながら、このような方針を進めていくのはなかなか難しいだろう。諸星氏が教学担当副学長となったときに、かなり豪腕をふるったと思われるが、どのくらい機能したのかが興味深いところである。

なかなか書きにくいが、得心が行くのは、p141-p142にある記述で、要約すると、授業に問題があると指摘された大学教員が「大学の教員=研究者だ」と言う。けれど、そういう人ほど研究業績がほとんどない。大学教員の給与は学生の授業料からまかなわれているのだから、少なくともその分を授業で還元するのが責務だ、というところ。たしかに”研究”という言葉を、教育の隠れ蓑にしてしまうことは多いが、教育を一生懸命やりつつ、研究も進めていくのが、現代の大学教員だろう。まあ、それだけならいいんだけど、大学関係の業務も出てきて、労働量が増加するので、本当に悩みどころなのだけど。

あと、オープンキャンパスについても指摘があって、通常の日に大学を開放すればいい、という意見が書かれている。オープンキャンパス自体はいいと思うが、いつでも高校生にキャンパスに来てもらって、出たい授業に出てみて、キャンパスの生の雰囲気を味わってもらうことは重要だと思う。まあ、数はそんなにないかもしれないが、こういった動きも必要かと思う。

そういえば、読売新聞の教育ルネサンスで先週まで「キャンパス来訪」という特集があった。「ムサビVSタマビ」などとても興味深い取組が紹介されていた。うちも外大対決とかやってみるのもいいかも。

コメント(3)

僕は、今の大学に移った最初に、学部長から、
「学生はあなたに研究してほしいと思って授業料を払ってるんじゃない。教育をしてほしいと思って払ってるんだ」
ということを言われて、
「あー、僕は私学に来たんだ。教育がメインなんだ、、、」って衝撃を受けたなぁ。

でも、これは当たり前のことで、今では納得してます。もちろん研究もしなければならないけど、
「教育を一生懸命やりつつ、研究も進めていく」
まさにこれだと思います。

すいません。教育も研究もまともにやってなくて
うちの大学では研究は余り求められてない気がします。
それはそれで悲しいですねぇ。

>おちさん
私学はもちろんそうですし、多くの国立大も教育にシフトしていくことになるだろう、と思います。
そのような中、研究と教育とのバランスをどうとっていくか、大学教員のアイデンティティの問題は、より大きくなっていくでしょうね。15年前には想像していなかったことなんでしょうね。

>てらしまくん
いやー、てらしまくんで教育も研究もやってなかったら、世の中の教員、ほとんどやってないことになってまうで(笑)。

うちでも研究はほとんど求められていませんが、こないだICoMEに連れて行った学生は「先生ってこういうことをしているんですねぇ。」と言ってたし、授業でもそうだし、いろんな形で研究や教育の世界を垣間見させることが大事なんだろうな、と思います。

まあ、研究するのは自己肯定というか、自己満足的な部分はあるかもしれないな、とは最近よく思うけどね。自分がやっていることが世の役に立ってほしいと思うけど、実際はなかなかそうならないわけで、自分の存在意義を確認するために研究しているような気がするときもあるし。「なんで研究するのか?」という問いについては、ほんとにいろいろ考えます。

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このページは、村上正行が2008年8月28日 23:55に書いたブログ記事です。

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