夏季宿泊FDのため、琵琶湖ホテルへ。会場の下見をして、講演していただく満渕さんをお迎えに。講演までいろいろお話させていただく。
昼から夏季FDスタート。今回は「京都外国語大学・短期大学の現状と展望」というテーマで、自分たちのポジションニングの把握し、現実をしっかり見つめた上で、今後の取組を考えようという目的である。
まずは満渕さん@52school.comの基調講演。「入試結果に見る外国語系学部および京都外国語大学・短期大学の動向」という題目でお話いただいた。近年の大学入試状況、外国語学部の状況、京都外大の状況について多種多様なデータを示しながらお話いただき、とても興味深いお話だった。なんとなく分かってはいたものの、現実をよく知ることができたと思う。関関同立、産近甲龍や外国語学部のある大学とどう勝負していくか、というところを考えていく必要がある。
続いて、全体会。「TOEICプレイスメントテストに見る京都外大生の動向」という内容で、柳田先生、倉田先生の報告、指定討論として舟杉先生、竹内先生のコメント。休憩の後、質問票に対する回答、フロアディスカッション。こちらも入学時のTOEICのデータをもとに、入試形態と点数の関係、学科毎の状況などを把握できたし、指定討論のお二人のコメントも示唆に富んでいて面白かった。
多様な学生の入学、学生の二極化が進んでいることが明らかであり、この点についてどう対処していくかが今後の課題と言える。特に到達目標をどこにどのように置くかという問題は難しい。いろいろ考えながら進んでいくしかないだろう。
懇親会の後、ラウンドテーブル。3つ開催され、私は「専門教育と教養教育との連携」というテーマに参加。議論は発散気味に終わった。ちょっとイメージと違ったので、この点は今後の課題だ。
その後、温泉(というか大浴場)に入り、職員の方々と夜までお話。大学に対する問題意識は共通であり、もっともっと連携、協力して大学を変えていかないといけないよな、ということを再認識する。
ラウンドテーブルは、僕の過激発言で締めになってしまいましたね。また、偉いひとたちの不興を買ったかな(笑)
僕のことなんてどうでもいいのですが、本来のテーマは、これから次々と定員割れを起こしてくるであろう僕等の大学の将来的な方向付けに関わる重要な問題なのですけれどね。語学科の枠組みをどこまで相対化できるか。どこまで時代の要求に応えられるか。現代は、如何なる人材を求めているのか。どのような能力が必要とされているのか。相当根本的な変革が必要になるでしょう。時代の要求を掴み損ねた者は滅びる。それが歴史の世界だと考えます。
そういう重要な問題なのですが、単なる放言の場になってしまいましたね。酒を飲んでから、厳しい問題を論ずると、往々にしてそうなりがちですね。正直、企画に問題があった、と言わざるを得ませんね。
大切な問題を正面切ってきちんと議論する機会が絶対に必要だと考えます。状況認識、危機意識を共有する為には。
もうひとつ
満渕さんのお話はかなり刺激的であった訳ですが、その際に、むらかみ先生が、国際関係・外国語学部が次々と新設された場合に、外国語大学に対する需要を掘り起こせるのではないか、と質問をされていましたが、その問題は、別の観点から見れば、或る意味で逆の可能性を孕んでいるかもしれないとも考えられます。詰り、外国語教育というスキル中心の教育を施す大学への需要が、例えば外国語を使って行う仕事についての教育を施す大学への需要へと、質的に変化する機縁となる可能性が潜んでいる様にも思えるのです。詰り、需要に於ける単なる量の増減の問題ではなく、需要の質そのものが変化する転換点となる可能性があるのではないか、と懼れています。
分り易く言えば、まず外国語を学んでから将来何になれるかを考える態度から、先ず外国に出て何をしたいかを考える態度への転換が、高校生レベルで生ずると、現状の僕達の大学は確実に潰れます。
>あきちゃん先生
コメントありがとうございます。お疲れ様でした。
ラウンドテーブルでの先生の発言は至極当然のものだったと思います。あの形態でやるには、ちょっとテーマがいまいちでしたね(午前なら別によかったのかもしれません)。他のRTはよかったみたいなので、また来年やるなら要検討です。
外国語学部の需要については、たしかに先生の指摘するような心配も理論的にはありえますが、さすがにそんなことにはならないだろう、と思っています。理由は単純で、高校生レベルでは生じないだろう、ということですね(生じるような高校生は、直接海外の大学に行ったりすると思います)。まあ、なにはともあれ需要が増えてくれるといいのですが、、、。
もちろん、先生が言われるような質の転換には対応していく必要はありますね。
新設予定の学部が外国語学部系と国際関係学部系さらには国際教養学部系(これは関東に多いのでしょうか)に分散しようとしている点も少し気になるのですね。需要の在り方がどう変化して行くのか、よほど注意する必要がありますね。
徒に危機を煽るのはよくありませんが、併し、これから、従前経験したことのないような大きな環境変動が生ずる事は確実で、中途半端な対策では対処し切れない事だけは間違いないと思います。
明確な「生き残り」戦略を早く示して戴きたいと切望しています。