ノムさんの「あぁ、阪神タイガース」

いろいろ雑用。家では持って帰った仕事はほとんどできず、、、。

週1か2週間に1回大阪に戻っているのだけど、電車に乗っている時が読書タイムとして、とても重要だ。自転車通勤になって、運動にはなるけど、本を読む時間が減ってしまった。それで、大阪に帰るときには、烏丸なり、梅田で本を買い込んでしまう。

それで、何冊か読んだのだけど、今日は野村克也「あぁ、阪神タイガース」。ノムさんの本はほんとに面白い。この本は、阪神監督時代を振り返ったもので、暗黒時代の最後を飾った?野村監督の本音が垣間見える。

ノムさんの基本は、無視、賞賛、非難の3段階。期待があれば賞賛し、それを越えると非難する。ただ、今の時代、非難はなかなか通じにくい。さらに、阪神という体質がそれを難しくさせた。どうしてもすぐ周りにちやほやされてしまい、厳しい意見に聞く耳を持ちにくくなる。よく出てくる、今岡なんかは典型的だったのかもしれない。

まあ、星野監督になって、ノムさんの努力が花開いたと思うし、ずっとノムさんだったらだめだったかもしれないので、これは阪神にとっても幸運だった。岡田監督については、あまり好きではなさそうだが、メジャータイプの監督として一流になるかも、という判断をしている。あまり戦術を使わないので、数年後が少し心配だけど。

さて、伝統あるチームの3要素として、優勝回数、名選手の輩出、未来想像力とそれが育む無形の力、をあげている。この3つ目、「未来想像力とそれが育む無形の力」は、組織をつくる上でとても重要なことであり、私も学生時代から意識してきたことだ。もちろん、当たり前のことではあるのだけど、意識されていないことも多いような気がする。少し長いけど、下記に引用しておく。
 


 それでは、未来想像力とはなにか。それは、将来のチームがあるべき姿を明確にイメージし、それを具現化する能力である。次代のチームはどうあるべきか、それを親会社も含めて球団全体で真剣に考え、それを実現するためにはいま何が必要で、どういうことをしなければならないかを的確に判断し、実践する力だといえる。
 チームは生き物である。時間とともに選手の顔ぶれは変わっていく。とすれば、そのことを頭に入れ、常に未来のあるべき姿をイメージしながらチームをつくっていかなければ、勝ち続けることは難しい。場当たり的なやり方では、タレントが揃ったときにはたしかに強いだろうが、彼らがいなくなってしまえばそれまでだ。また一からつくらなければならない。
  野村克也「あぁ、阪神タイガース」pp131-132

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このページは、村上正行が2008年2月10日 23:55に書いたブログ記事です。

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