研究の「二足のわらじ」

「調査・統計の基礎」。データ入力と表、グラフ化。学生にはこれがなかなか難しいらしい。ちょっと予想外だった。来年度は統計部分を減らして、最初から調査の内容を取り入れていったほうがよさそうだ。

「ICTの活用Ⅱ」。プレゼン。あいだに自分がしゃべりすぎた。。。

本を少し整理。買った本が見当たらない、、、。どこなんだ。

中央公論2月号を買う。見出しは「崖っぷち、日本の大学」。どの記事も興味深く、ほとんどが共感できるものでした。

この日記を見てくれている人は大学関係者も多いと思いますが、友人など大学人じゃない人も結構いるので、残念な(苦笑)説明をしておきます。少子化にも関わらず、大学はどんどん増え、財政的に厳しいので学生数を増やしにかかったりした結果、現在4割ほどの私立大学(580大学中221大学)が定員割れを起こしています。18歳人口は減る一方ですから、どんどん厳しくなっていくわけで、大学は「斜陽産業」と言わざるをえません。そんなこともあり、大学教員の仕事もどんどん変わってきていて、「先生」としての役割が強化されているといえます。

その中でも加藤尚武先生の「京大オーバードクター生一掃記 二足のわらじを履きなさい」がとても面白かった。京大倫理学研究室におられたときに、従来の倫理学だけではなく、応用倫理学の領域にも手を広げてオーバードクターに研究させ、これらの業績で就職が見つかりやすくなった、という話である。

応用倫理学とは、生命倫理学とか環境倫理学などが例で、現実問題について考える学問と言えるのだろうか。まあ、一般的にありそうだな、と思えるものである。対して、従来の倫理学はいわゆる西洋思想、特に近現代となるそうだ。ヘーゲルとかカント、ルソー、ハイデガーなどなどである。

今の時代、純粋な学問だけ追及しても、なかなか実際の授業では話せないし、理解してもらえない。現実問題、具体的な、応用的な話が学生には好まれる。大学への就職活動をする上でも、教育できることが重要な時代。純粋分野と応用分野、両方研究していくことが生きていくためには必要でしょう、教授も院生にそういう道を提示することが必要でしょう、そうしないとオーバードクターを生んでしまいますよ、ということを述べられている。

加藤先生のような研究分野の先生が、このようなことを考えておられるとは、少し意外だったが、とても共感できた。まあ、私は現状では「何足ものわらじ」を履いてしまっていて、薄く広くになりつつある、、、。これじゃいかんよ。「深く広く」できるように頑張らんとなぁ。

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このページは、村上正行が2008年1月11日 23:55に書いたブログ記事です。

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