大学教育学会2日目。午前中に自由研究発表。私は初年次教育のセッションで「建学の精神の具現化をめざした初年次教育の設計及び実践」という題目で発表。題目、ちょっと仰々しいですが。建学の精神に基づいて、前期のリレー講義、後期の基礎ゼミを設計し、学生に理念や哲学、基礎的な能力を獲得してもらおうという試みだ。
今回の発表は普段とは違い、連名者4名の学内研修会の原稿を元に0.5ページずつの割り当てで2ページの予稿を作成した。そのため、私が普段使わない難しい言葉(苦笑)を使ったりしつつの発表となった。若干早口になってしまったとは思うが、言いたいことは言えたつもり。
いただいた質問は2つ。「理想と現実のギャップをどう埋めるか」。確かに。壮大な目標なので、理想に行き着くまでは大変だが、理想を実現するために必要なことを具体化し、それを1つ1つつぶしていくことが大切だし、そのプロセスそのものが重要であると思う。「そりゃ、理想やん」というのは簡単だけど、実行してみないと始まらない。リスクや苦労はあれど、1歩を踏み出さないと、と思う。
「他の授業との連携、体系化ははかっていないのですか」。これまた、確かに。私はそこまで考えられていなかった。ただ、何人かの先生は来年度以降の授業での連携は考えていらっしゃると思う。あとは学内に遍く広報し、語学科の関連性のある授業との連携を図ることは必要だ。うちの大学の規模なら可能だと思うし。
他の発表も非常に興味深かった。アメリカの事例研究2つ、名大の「スタディティップス」、医学部の初年次教育、入学時・初年次の学習意欲と成績との関係、というラインナップ。名大のスタディティップスは、これから教材を作るので、参考にさせていただきたい。近田先生@名大の発表はさすがという感じだった。導入教育に関するテキストはこの2年でかなり発行されているが、教材開発研究はこれからも重要になっていくだろう。
渡辺先生@九大の入学時・初年次の学習意欲と成績との関係は、研究する上でとても有用なデータだ。1年次後期の学習意欲が卒業時の成績に好影響を与えるという結果であり、1年次に対する動機付けというのが重要であることを理論付けてくれると思う。また、1年次生の学習意欲をあげるためには教養教育の役割が大きそうだということもお話された。教養教育に関わる身として、いい結果であるとともに、責任も重要だということだ。
総合討論では評価について議論した。今回の発表については、建学の精神を具現化する、ということはどういうことか、を項目化していくことと、学生の自由記述が重要だと思っているので、そのことについて述べた。私が実践ベースの研究をしていることもあって、教育社会学的なマクロ研究について面白いと思ったし、相互補完を意識しておくことも重要かな、と思った。
2回目の参加だったが、なかなか有意義だった。これらを参考に、まずは夏に向けてがんばらないと。
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