大学教育学会

京大で開催されるということもあって、初めて大学教育学会に参加。初年次教育の情報収集がメイン。京大高等教育のみなさんは運営で大変そう。。。

午前中はラウンドテーブル「初年次教育・導入教育の方法」に参加。非常に勉強になった。智原先生@大阪女学院はiPodネタでつかんだ後、授業開始前の8日間に行うフレッシュマンウィークについて。うちの大学も1泊研修とかいろいろやっているけど、目的が明確であること、体系的に行っていることが違いだと思った。西村先生@金沢工大では、「修学基礎」という導入教育の話題。学長などの授業→議論、授業→議論といったコースデザインで、今後の参考になりそうだった。また、Webによるポートフォリオも利用しており、今後学習履歴として活用しようとする予定とのこと。岩井先生@関西国際大は、自己分析を取り入れた初年次教育の話題。「自己分析できない自分」という自己分析パラノイアを克服するために、学生同士の相互作用を行い「開いた」自己分析として活用することを試みている。

全体を通して、初年次教育は、高校から大学への学びの質の転換を果たすだけではなく、4年間の教育、キャリア教育まで拡張(というとちょっと違うかもしれないが)して考えていくべき、といったような印象を受けた。大学での学びを意味づけることができるようにするための授業である、ということなんだと思う。「大学の学校化」といった問題も含むが、今の時代として必要なものだと思うし、山田先生@同志社も指摘されていたが、大学独自のものを開発していくべきだと思う。

昼食は岩崎さん@福島大、香川さん@阪大と。各自の大学のお話。どこもFDなどいろいろ大変。

午後はシンポジウム。「大学教育学会の未来へ」という題目で、30代の研究者3名がパネリスト。井出先生@長崎大は長崎大のFDや初年次教育の組織について。真摯に取り組んでいることが感じられる発表でした。藤田さん@法政大は実践報告に研究の視点を入れないと、という話。2つのPowerPointを駆使して報告のあり方、従来研究との比較、客観的な評価、授業実践の相対化の必要性について説明された。まさにその通り。非常に耳の痛い(苦笑)話でもありましたが。切れ味鋭い発表でした。岡部さん@京教大は、授業の中で生成した知についての意味を問うこと、また教員についても授業の問い直し、授業中に獲得できた知について考察すること、などが授業研究として重要になるのでは、といったお話でした。内容的には難しいですが、非常に分かりやすく聞けました。藤田さんと岡部さんの話は違うベクトルであり、私も研究する上で非常に悩んでいる両面です。しかしながら、両方重要な視点であり、自分なりにうまく消化していければと思います。しかし、みんなかっこよかった。あと数年たったら、あんなふうに話せるのだろうか、、、。また、絹川先生の話もいつもながら鋭く、面白かったです。

懇親会では、久々に溝上さんとゆっくり話すことができ、いろんな方とお話できました。もともと参加するつもりではなかったのですが、よかったです。

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このページは、村上正行が2005年6月11日 23:55に書いたブログ記事です。

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