真保裕一「ダイスをころがせ」(上)(下)

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選挙をテーマにした娯楽小説。同世代である34歳の主人公達についつい引き込まれてしまう。社会に出て10年ばかり、社会や大人のずるさも知りながら、同級生に会うとついつい若い感情が戻ってきてしまう、というのはとてもよく分かる。主人公の駒井健一郎にかなり感情移入して読み進められた。

選挙の仕組みなんかについても分かりやすく記されている。立候補する天知達彦は盛んに「国民が行動を起こすことしか政治を変えられない」ということを主張する。既得権益を守ろうとする制度や社会についても異を唱える。この辺は作者の主張でもあるのだろう。また、選挙というものには一種の魔力があるのだな、という印象も受けた。

いろんな要素を含んだ一気に読める小説。30代の方にお薦めです。

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このページは、むらかみが2005年5月 9日 22:55に書いたブログ記事です。

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