石浦章一「東大教授の通信簿」

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東京大学の教養学部前期課程(1、2回生)の授業評価アンケートの結果をまとめたもの。うちの大学で全学に対する授業評価アンケートを集計、分析した立場としての感想は、授業評価アンケートの結果や考察、教員の反応は東大でもどこでもあまり変わらないな、ということ。新しい知識は特に得られなかったが、こういった内容のものが新書で出て世間に知られるということに意味があるように感じられた。タイトルもキャッチーだし。

やはり、教員の中には「学生にどのような授業がいいのか評価する能力がない」「こんな授業アンケートで何が分かるのか」などと言う方がおられるようだ。もちろん、授業評価アンケートは授業の一側面を映したものであるが、そこからでもいろんな問題点が見えてくると思うので、その辺りは真摯に受け止めていきたいと思う。また、授業評価の結果を受けて、FDにも力を入れておられ、授業の相互参観なども熱心に行っておられるようである。東大がこういうことを行い、アピールすることは重要だと思う。ただ、他の大学も多数取り組んでおられているので、ちょっと書き方が強い感じも受けた。

ちょっと気になった点が2つ。男女共同参画について述べられているが、女性教員は男性教員と授業評価の結果が変わらないことを「驚くべきもの」と評している(p178)のは、結果的に”男女の結果が違う”と暗に思っていたということを示しているので、おかしいのでは?と感じた。また、東大のコマ数が少ないのは理解できるのだが、「年8コマで驚いてはいけません」と書かなければいいのに、、、とは思いました。私も年14コマ、非常勤入れれば18コマですからね、、、。

いろいろ書いたが、東大がこういうことに力を入れていることを公表することには意味があると思うし、授業の相互参観など、広まるきっかけになればいいと思います。

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このページは、むらかみが2005年4月 2日 11:35に書いたブログ記事です。

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