「過去の成功体験」が改革を邪魔しているという論理を様々なスポーツを例にあげて展開する。多くの経営陣、協会関係者、指導者などが「昔これでよかったのだから、今もこれでいいはず。なぜ選手は分からない?できない?」という感覚を持っているということだ。時代は変わっていくわけで、戦略なり練習方式なり変更していかないといけないのは当然だし、選手気質も変わるのだから、ある程度それに応じたやり方があるだろう。どうしてもそこを認められないから、変わらない部分も見えてこないのだろう。
6章で取り上げられているのだが、本来、女子スポーツは女子の指導者によって指導されるべきだと思う。女子選手には女子アスリートとしての経験を伝えた方がいいと思うし、それを理解できる人が上にいないといけないと思う。物理的にいろいろ難しい面はあるのかもしれないし、もちろん男性でも悪いわけではないが、女性指導者が増えてほしい。ともかく、女性指導者の進出を阻んでいる「こんな女に何ができるんだ(p145)」と思うような人たちがまずいなくなることを願いたい。