学振の未来開拓学術研究推進事業研究プロジェクト「感性的ヒューマンインターフェイス」の成果をまとめた本。報告書ではなく、インタビュー形式で専門外の人にも読みやすいと思う。個人的には、東大の堀先生の洋服屋の優秀な店員さんを調査した結果に基づいて、関心空間からの新しい発見と販売方略の決定をさぐる研究がとても興味深かった。
よく「バーチャル世界を現実世界に限りなく近づけるなんて」という意見を聞くこともあるが、そのことによって人間の行動などが明らかになることがあるし、他のシステムに応用できる知見が得られることも多い。この本で述べられているような人間のメンタルモデルや感性を研究することによって、いろんなことが見えてくると思う。